
興毅・大毅 二人揃っての豪快KO勝利!
2009年3月4日
WBA世界フライ級1位・亀田興毅が4日、さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナでノンタイトル10回戦を行い、WBC世界フライ級20位ドローレス・ビダル(メキシコ)を2回2分9秒KOで下した。2回に3度のダウンを奪う圧勝でプロ20勝目をマークした。
一方、元世界2階級制覇のWBC世界フライ級13位ワンディ・シンワンチャー(タイ)に挑んだ亀田大毅は、6回27秒KOで破り、昨年11月の再起後3連続KO勝利を飾った。
約1年ぶりとなる日本のリングで興毅が、豪快なボクシングを見せた。1回、軽く右ジャブを突きながら相手の出方をうかがった。右フックを引っかけ、左ストレートのカウンターのタイミングを確かめた。
左右パンチのタイミングがつかめたという2回、いきなりギアをトップに入れた。開始早々に左ストレートをヒットさせると、連打で畳みかけた。たまらずビダルは青コーナーにうずくまるようにしてダウン。ビダルが立ち上がったところを興毅は左アッパーからの右フックをたたき込み再びダウンを奪った。そして再度立ち上がったビダルに渾身の左ストレートを打ち込み、ビダルが青コーナーに吹っ飛んだところにレフリーが割って入って試合終了を宣言した。公約通りのKO劇。
リングの四方に頭を下げた興毅は「一年間、俺と大毅を待っていてくれたファンのみんなありがとう。色んな人の協力があってこの日の試合が実現しました。俺に何が出来るのか。一戦一戦勝つこと。世界のベルトを巻くことです」と会場のファンに感謝の言葉を贈った。
昨年3月以来の日本での試合に緊張したという興毅は「パンチが入ったらまとめていこうと思った。チャンスがあればいくつもりだった。今は上と下がバラバラやったけど、がむしゃらの気持ちが出せたのが良かった。課題もあったけど、世界戦に向けて手応えをつかんだ」と振り返った。
今試合は世界前哨戦として行われ、興毅は2階級制覇を堂々と宣言。「次が世界戦のつもりで練習を毎日やってきた。世界戦が決まったらベルトを取る時。男やから嘘はいいません。(最後の)世界戦から2年半、これ以上待ったら賞味期限が切れて腐ってまうよ」と笑顔で夢の実現を口にした。
再起3戦目でいきなり強豪を相手にした大毅は、大きな成長ぶりを見せた。1回、ガードを固めながらワンディの動きを目で追った。課題の左ジャブを多用し、ワンディを牽制した。ワンディは大振りながらも右フックと左アッパーで応戦。緊迫した出だしだった。
2回は中間距離でお互いパンチを交換。その中で大毅のパワーが際だった。左フックがワンディの顔面を捕らえはじめ、返しの左ボディーも決まりだした。3回も大毅は左ボディーを中心に攻撃。これまで苦手としてきた右フックもスムーズに出るようになり、ワンディをジワリジワリ追い込んだ。
迎えた5回、大毅のパワーが炸裂した。左フックから左ボディーをたたき込むと、ワンディは一瞬の間を置いてキャンバスに崩れ落ちた。カウント8で立ち上がったものの、ダメージは深刻だった。そして6回、左フックのダブルから再び左ボディー。タイミング良く入ったボディーブローに、ワンディはついに立ち上がることが出来ずテンカウントを聞いた。
「ワンディは思ってた通りに強かったですね。1ラウンドからずっと強いと思ってた。ワンディが強かったから俺のボクシングが出来なかった。KOはたまたま。まだまだやてオヤジにも怒られましたから。内容が悪いからもっと練習してもっと勉強せな。ダメージも疲れもないからすぐに練習をしたい」と再起後3連続KO勝利にも反省の言葉を繰り返した。
これで世界15位以内のランクインがほぼ確実となった。それでも大毅は
「俺にはまだまだキャリアが必要。チャンスがあれば日本でも東洋でもいいから挑戦したい。もっともっと練習せなアカン。まだまだですわ」と最後まで謙虚な姿勢だった。
この日、共にKO勝利を飾った二人にメキシコでキャリアを積んでいる和毅も含め、今年は亀田三兄弟がどのような進化を遂げていくのか!?
今後、その動向に大きな注目が集まるのは間違いない。




